北海道
札幌ラーメン
数ある北海道のラーメンの中でも代表するラーメンで、その歴史は比較的新しいものです。戦後、北海道でラーメン店が増える中で、札幌市においても独自のラーメン文化が形成されました。札幌ラーメンのスープは、豚骨とをベースにつくっているため脂が多めで濃厚な味わいです。麺の太さは中太、ちぢれ麺で黄色い卵麺という特徴があります。卵麺を使用しているのでしっとりツヤがある麺です。モヤシやタマネギなど炒めた野菜がたっぷり盛られているのも人気の秘訣です。
函館ラーメン
北海道南部の函館市で楽しめるラーメンです。透明感のあるきれいな塩味であっさりスープが特徴的です。さっぱりとしているうちに、深い旨みが潜んでいて飽きることなく最後まで飲み干してしまうという人が多いのもうなずけます。ベースには鶏ガラや豚骨、昆布やホタテなどの魚介系が使われることが多くあります。麺はあっさりとしたスープとの相性がよく、味がなじみやすいよう、ストレートタイプの細麺です。具はチャーシューやねぎ、メンマにほうれん草、ナルトなど、素朴で気軽に食べられるものが多くトッピングされています。
旭川ラーメン
旭川は北海道の中央部に位置し、昔から北海道の物流の拠点となっています。海とは無縁の地にありながら、海産物も豊富に流通していて人口、産業、全ての面で札幌に次ぐ北海道第二の都市です。スープは、豚骨や鶏がら・魚介をベースに煮干し・昆布などで豊かな風味を増し臭みを感じないように仕上げています。このスープに醤油だれで味付けをしてスープにラードを加えることでコクと旨味、さっぱりとした風味が絶妙に調和しより深い味わいが楽めます。具はねぎ・メンマ・チャーシューとシンプルで、中細の縮れ麺を使用しているため歯切れが良く、茹であげた後もスープを吸収しやすいです。
東北地方
味噌カレー牛乳ラーメン(青森県)
「味噌カレー牛乳ラーメン」は味噌をベースにカレー粉や牛乳を入れたラーメンで、バター・もやし・メンマ・わかめがにトッピングされています。独自に調合された味噌のコク、カレーの刺激、牛乳のまろやかさ、さらにバターの風味が絶妙なバランスです。麺はちぢれ中太麺を使用しております。1970年代、中高生の間で「味噌ラーメンにカレーとミルクを入れて食べると何故か美味い」という噂が流れ始め、店主が正式なメニューとして発売したのが始まりです。
冷やしラーメン(山形県)
山形県の麺料理でその名の通り冷たいラーメンです。スープは醤油味が一般的で氷を浮かべることもあります。この冷やしラーメンの起源は、意外にも古く今から半世紀以上も前の夏に「冷たいラーメンが食べたい」という声から栄屋本店の店主が開発し、今では全国的な広がりを見せています。冷やすと固まってしまう豚骨や鶏ガラからでる脂を全て取り除き、それではアッサリしすぎて物足りなくなるため、そこにブレンドした植物油を入れています。しかし脂はそこまで浮いておらず、あっさりさっぱりしたスープは冷水でしめた特製麺によく合います。冷やしラーメンの麺は、ラーメンと同様にちぢれ麺、細麺、太麺など様々です。スープが冷たいので、麺がのびることもなく、じっくりと味を楽しむことができるのも特徴です。
喜多方ラーメン(福島県)
喜多方ラーメンのキーワードは「水」です。喜多方の麺は「熟成多加水麺」と呼ばれる水分の多いものを使用していて通常は加水率30%前後なのに対し、喜多方の麺は40%を超えます。平打ちで太めの縮れ麺は、スープがよく絡み、ツルツルでモチモチとした食感が楽しめます。あっさりした醤油スープが主流。ダシは各お店によって豚骨、鶏ガラ、魚介類などを使い分けており、お店によって様々ですが、どれも素材の味わいがスープににじみ出たおいしさです。具はチャーシューを主として、ねぎ、メンマ、なるとなど一般的な構成で出来ています。
関東地方
佐野ラーメン(栃木県)
栃木県佐野市を中心に、広く食べられているご当地ラーメンの1つです。青竹打ちと呼ばれる竹で打ったちじれた手打ち麺と、佐野市の清らかな水で作られるあっさりとしたスープが特徴です。現在では竹打ちを再現出来る製麺機も登場しています。この技法で打たれた麺は、中に気泡が多く含まれることから熱伝導が良く、短時間で茹で上がるほか、コシが強くて舌触りが滑らか。つるっと喉越しがよく、スープによく絡みます。コクのある醤油味が特徴とされますが、豚や鳥のガラ、香味野菜、にぼしや昆布など、さまざまな具材を煮込み豊富な旨味の美しく澄んだスープです。
二郎系ラーメン(東京都)
二郎系ラーメンの最大の特徴は、大量のもやしと刻んだキャベツ、大きな豚チャーシュのトッピングのインパクトに極太のちぢれ麺です。満足感がある一杯です。極太のちぢれ麺はスープとのからみが良く、コシのある食感を楽しみながら野菜のシャキシャキ感が味わえます。二郎系ラーメンは、日本のラーメンチェーン「ラーメン二郎」が発祥とされています。ラーメン二郎は、もともと1968年に東京の荻窪で開業したラーメン店です。創業者である井上幸弘氏が考案した独自のスタイルが、後に「二郎系」と呼ばれる一群のラーメン店に影響を与えました。
勝浦タンタンメン(千葉県)
勝浦タンタンメンは、漁業が盛んな勝浦の海女さん・漁師さんが寒い海仕事の後に、冷えた体を温めるメニューとして定着した千葉県勝浦市のご当地ラーメンです。最大の特徴は「タンタンメン」なのに”ゴマベース”ではないことです。基本的に醤油をベースにしたスープにラー油を多く使用しています。そのため辛さと旨味のバランスが絶妙に調和しています。具材には、ミジン切りの玉ネギとひき肉が一般的で、お店によってはニンニク、ニラ、ネギが入っています。スープ層とラー油層があるので、しっかりと丼の底から混ぜながら食べるのがコツです。
サンマーメン(神奈川県)
サンマーメンとは、麺の上に、とろみの付いた野菜やお肉のあんかけがかかっているラーメンのことです。戦前当時、横浜市中区、中華料理店の調理人達のまかない料理で、とろみを付けた肉そばが原形になったと言われていておよそ60余年の歴史があります。野菜がたっぷり入っているため、栄養もボリュームも満点。あんのおかげで冷めにくいことから、肌寒い日などに食べたくなる一品です。スープは醤油ベースで作られています。サンマーメンの由来は一説によると「生馬麺」と書き、これは「新鮮でシャキシャキした素材を上に乗せた麵」の意味になると言われています。
横浜家系ラーメン(神奈川県)
「家系ラーメン」の名前の由来は、屋号に「家」のつく店名が多かったことからファンの間で呼ばれるようになったのが始まりです。最初に家系ラーメンを提供していた吉村家のルーツを持つ店舗や、吉村家の味やスタイルなどをインスパイアしたラーメン店を基本的に家系と言います。豚骨醤油ベースで極太のストレート麺を特徴とするラーメン。のり・チャーシュー・味付玉子・ほうれん草のトッピングが基本形と言われています。また、自分の好みで「麺の固さ」「味の濃さ」「脂の量」を変更してオーダー出来ることも家系の大きな特徴のひとつです。
中部地方
背脂醬油ラーメン(新潟県)
発祥は新潟県のほぼ中央に位置する燕市(つばめし)。この背脂醬油ラーメンは新潟5大ラーメンの1つです。昭和初期、工場で働く人々からの要望で麺は腹持ちのいい極太麺、スープが冷めにくいように大量の豚の背油がかけられているのが1番の特徴です。煮干しなどの魚介類の出汁が効き濃口醬油のスープを使用しているため、見た目はコッテリしていますが味はサッパリしていてスルリといけちゃいます。トッピングは玉ねぎや岩のりをのせる店舗が多く、麺・具・スープすべてに個性がある背脂醬油ラーメンは注目度が高いラーメンです。
富山ブラックラーメン(富山県)
真っ黒なスープがインパクトな富山ブラックラーメン。スープは醤油の濃度が高く、さらに上から大量の粗挽き黒胡椒をかけられています。この独特の塩辛さがあるスープがクセになります。麺は太めで、大量のねぎとやわらかいチャーシュー、メンマがトッピングされているお店がほとんどです。戦後まもない復興期、肉体労働者の塩分補給のためにつくられたラーメンで、ごはんの「おかず」として食べてもらえるように醤油やコショウの味を効かせてつくったのが始まりです。
高山ラーメン(岐阜県)
高山ラーメンは、日本の岐阜県高山市発祥のラーメンの一種です。1960年代に高山市で営業していたラーメン店「らあめん亭」が、地元の食材や風土に合わせて独自のスタイルのラーメンを提供したのが高山ラーメンの原点とされています。スープは、鶏ガラや豚骨をベースにし、地元の食材や調味料で独自の味わいを持たせて濃厚でコクがあります。中太でちぢれ麺を使用することでしっかりとした噛みごたえがあり、スープによく絡んで美味しさを楽しむことができます。トッピングはチャーシュー、ネギ、メンマ、味付け玉子など、様々用意されているためラーメン全体のバランスを取りながら食べ応えを与えています。
台湾ラーメン(愛知県)
愛知県の台湾ラーメンは、1970年代から1980年代にかけて発祥したと言われています。この時期、日本ではラーメンブームが起こり、様々な地域で独自のスタイルのラーメンが誕生しました。その中で、愛知県では台湾発祥のラーメンに着想を得て、独自のアレンジを加えた台湾ラーメンが誕生しました。辛みのある豚骨ベースのスープに細麺、ネギ・もやしのトッピングが台湾ラーメンのスタイルです。ニンニクやさまざまな香辛料や調味料を使用しているためコクと深みがあります。
近畿地方
和歌山ラーメン(和歌山県)
和歌山ラーメンは、そのシンプルでありながら奥深い味わいが地元の人々に愛され、和歌山を訪れる観光客にも親しまれています。地元の新鮮な魚介や野菜、特産品を取り入れたりすることで、季節ごとに味わいが変わることも魅力です。スープは一般的には醤油ベースで魚介や鶏ガラ、豚骨などが使用し独自の調味料で味付けされていて清澄な味わいです。麺は中細でちぢれたものが使われ、スープとの相性が良く、食べやすい仕上がりです。また、モチモチとした食感が楽しめます。チャーシュー、ネギ、メンマ、海苔などシンプルなトッピングですが、それぞれの具材が絶妙なバランスを保っています。
京都ラーメン(京都府)
京都ラーメンは、季節ごとに変わる食材やスープの味わいを楽しむことができます。春には桜の花びらを散らし、秋には季節の野菜を使ったメニューが登場するなど、季節感が大切にされています。中太よりも細めの麺が一般的でスープとの絡みがよく、独自の食感が楽しめます。スープは、醤油やしょうゆ味が主流です。他の地域のラーメンとは異なり、あっさりとした清涼感がありつつも、深い味わいが特徴です。京都は日本の歴史と文化の中心地であり、ラーメンだけでなく京料理の影響も受けています。そのため、ラーメンと共に季節の京料理が提供されることがあります。
播州ラーメン(兵庫県)★
細めの縮れ麺に、チャーシュー・ねぎ・もやし・のりなど具はシンプルですが、何といっても最大の特徴は「甘い」スープ。タマネギなど野菜から出るダシなど、様々な要素があるのだそうです。 野菜のほか、豚骨、鶏ガラ、魚のダシもブレンドされているのでスープはとても豊かな味わいに 醤油ベースの後味がさっぱりします。甘いスープの始まりは、播州織という繊維産業が盛んだった戦後の西脇市。集団就職でやってきた女性たちの好みに合うように改良され、独特の味わいをもつ播州ラーメンが生まれたと言われています。
中国地方
牛骨ラーメン(鳥取県)
牛骨ラーメンの最大の特徴は、スープが牛の骨をベースにしていることです。牛骨ラーメンの起源は特定の地域や時期にはっきりしていませんが、豚骨や鶏ガララーメンが主流であった中で、牛の骨を主に使用するスタイルが生まれました。牛骨から抽出されるコラーゲンや脂分が独特の風味とコクを生み出し、人気を博するようになりました。中太のちぢれ麺を使用し、チャーシューやネギ、メンマ、味付け玉子などが一般的なトッピングとして添えられます。牛骨ラーメンは、その独特で濃厚な味わいがラーメン愛好者に人気があり、特に最近ではラーメンのバリエーションとして様々な地域で愛されています。
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尾道ラーメン(広島県)
尾道ラーメンは、地元で80年以上の歴史を持つと言われています。昭和3年頃、露店でチャルメラを吹きながら売り歩き「支那そば」として出現したのが始まりです。スープは鶏ガラがメインで、小魚などからダシをとってオリジナルな味です。表面に浮く背脂ミンチがぷるぷると柔らかく、さらりとしているスープを濃厚なコクのあるスープへと変化させています。平打ちの中細ストレート麺とネギ、チャーシュー、メンマなどのオーソドックスなトッピングでつくられています。
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四国地方
徳島ラーメン(徳島県)
徳島ラーメン最大の魅力は豚バラ肉と生卵のトッピング。チャーシューの代わりに甘辛く煮付けた薄切り肉を使用し『ご飯のおかず』として食べていただけるラーメンです。スープは、お店によって大きく異なり白・茶・黄の3系統などが見られ、好みのスープで楽しめるのも魅力です。薄口醤油や白醤油などで味付けしたとんこつの白系、豚骨スープに濃口醤油やたまり醤油で味付けした茶系、鶏がらや野菜などを使い薄口醤油を加えた薄い色のスープを用いる黄系です。
九州地方
長浜ラーメン(福岡県)
長浜ラーメンは元祖長浜屋からスタートしたといわれていて、魚市場で働く人々に食されていたものでした。そのため魚の競りの合間に食べられて素早くゆでられる極細麺が誕生したのです。豚頭や豚足を長時間しっかりと炊いた深みのある味わいのスープで博多ラーメンよりもあっさりとして食べやすいのが特徴です。具はチャーシューが一般的ですが、長浜ラーメンは味付けした豚肉を機械で刻んだ細切れ状のものがのっています。トッピングで、紅しょうが・こがしニンニク・からし高菜など、お好みでカスタムすることができるので味変としてもお勧めです。
博多とんこつラーメン(福岡県)
白く濁ったクリーミーなスープにストレートの細麺が特徴のラーメン。豚骨を長時間、または高圧・高熱で煮込むことで、ゼラチン質まで溶け出すためこの濁りが生まれます。麺は自分の好みの固さを「カタ」、「バリカタ」など選んで注文ができます。このような麺の硬さを指定できたり、替え玉と呼ばれる麺のおかわりのスタイルを生み出したりと、博多ラーメンはその後のラーメン業界全体にも大きな影響を与えました。お店のテーブルに紅しょうがと白ごま・辛子高菜がおいてあり、自分の好みに合わせてトッピングすることが出来ます。かつて豚骨ラーメンに馴染みがなかった時代、独特の匂いを抑え食べやすくなることからこのサービスがはじまりました。
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久留米ラーメン(福岡県)
とんこつラーメン発祥の地、福岡県久留米市で愛されている「久留米ラーメン」。比較的濃厚で匂いが強いスープが多く一般的には濃い豚骨と言われていますが、あっさり目の豚骨スープの店も存在しています。細めでちぢれた麺を使用しているためスープとの絡みが良く、食べやすいテクスチャーが楽しめます。久留米ラーメンの起源は、昭和30年代にまでさかのぼります。当時、飲食店がラーメンを提供するようになり、地元の食文化に根付いていきました。その後、久留米市内に多くのラーメン店がオープンし、久留米ラーメンが発展していったと言われています。
熊本ラーメン(熊本県)
久留米ラーメンをルーツにし、熊本県玉名市から広まったとされています。博多とんこつラーメンや久留米ラーメンは豚骨がほぼ100%であるのに対して、熊本ラーメンでは鶏ガラや野菜が一緒に炊かれることが多いです。また最も特徴的なものが焦がしにんにく油(マー油)です。ラーメンの香味油として真っ黒な油がスープ表面に垂らされています。ニンニクを揚げた「ニンニクチップ」がかけられている場合もあります。福岡のラーメンと比べてまろやかでクリーミーな味わいで、より深くクリーミーな味わいを作りあげています。ストレートの中太、しっかりとしたこしのある硬めの麺が主流で、トッピングの定番としてはチャーシューやキクラゲ、海苔、青ネギなどが並びます。
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鹿児島ラーメン(鹿児島県)
鹿児島ラーメンは、九州ラーメンの中で唯一久留米ラーメンの影響を受けていないラーメンです。基本的に白い濁りがなく、鶏ガラや野菜などの旨味が加わったあっさり系の優しい味わいが特徴です。麺は中太麺かビーフンのような細麺が主流で、やわらか麺であっさりしています。具材はシンプルで、もやしやネギ、チャーシューなどです。鹿児島ラーメンは食べやすいので、こってりしたラーメンが苦手な方やとんこつラーメンを初めて食べる方におすすめです。