
ラーメンの世界には、独自の専門用語が数多く存在し、マニアの間では当たり前のように使われています。スープの種類や麺の形状、トッピングの違いに加え、注文時のカスタマイズ方法まで、知れば知るほどラーメンの奥深さを感じられるでしょう。本記事では、ラーメンマニアが使う用語を、初心者でもラーメンの魅力をより楽しめるように紹介します。これを読めば、ラーメン店での注文や会話がさらに面白くなること間違いなしです!
スープの用語

ラーメンのスープは、その味やスタイルを決定づける最も重要な要素の一つです。醤油、味噌、塩、豚骨など、ベースとなる味のほか、濃度や油の使い方、出汁の取り方によって、ラーメンの種類は複雑化し、ラーメン好きの中でのみ使用される用語もたくさん生まれるのです。
乳化(にゅうか)

豚骨スープで脂肪と水分が混ざり合い、白濁した状態を指す。スープがクリーミーになり、濃厚な味わいが楽しめる。反対に、非乳化(非乳化)は透明感のある豚骨スープで、素材本来の味が際立つ。あっさりした豚骨スープを好む人に人気。
カエシ
スープに混ぜる濃縮されたタレ。味の濃さやバランスを調整するために使用される。スープは「出汁」「油」「カエシ」からできている。
香味油

ラーメンのスープに香りやコクを加えるための風味付けの油のこと。ラーメンの仕上げに加えることで、スープ全体の味を引き立てたり、アクセントをつけたりする役割を持つ。マー油(にんにく油)やネギ油、海老油など。
スープ割り
濃いめのつけ麺スープを薄めて飲みやすくするために、追加で提供される出汁やスープ。つけ麺の麺は冷たいタイプが多いため、食べるうちにつけ汁が冷めてしまうが、温かいスープで割ることにより温められ、薬味などを入れて飲むことができる。
カラメ
二郎系でスープをより濃くするオプション。スープの醤油ダレ(カエシ)が多めに追加されることで味を濃く調整する。
麺の用語
ラーメンの麺は、スープとの相性を決める重要な要素です。加水率や茹で加減の違いによって形状や硬さが変化し、麺のコシやのどごしに個性が生まれ、地域やラーメンのスタイルによって使い分けられます。ラーメン好きは麺にもこだわり、独自の用語で至極の一杯を注文するのです。

カタメ
麺の硬さを指定する言葉。硬めの茹で加減を意味し、歯ごたえを楽しむために使われる。
バリカタ
博多ラーメンで使われる用語で、非常に硬い茹で加減を指定する際に使用。
ハリガネ
バリカタよりもさらに硬い茹で加減で、ほぼ生に近い状態の麺。ラーメンマニアの間で人気。
粉落とし

麺を湯に軽く通すだけの茹で加減。博多ラーメンで極限まで硬い麺を楽しみたいときに使われる。
ワシワシ麺

極太でゴワゴワした食感と低加水の強い歯ごたえが特徴。二郎系のラーメンに使われており、スープや大量の野菜に負けないしっかりとしたコシがあり、噛みごたえがある。そのため、天地返しをしても崩れず、最後まで独特の食感を楽しめる。
角断面麺・丸断面麺
角断面麺は断面が四角く、歯ごたえが強い麺。家系ラーメンに多い。丸断面麺は断面が丸く、ツルッとした食感が特徴。
その他の用語
食べ方や注文方法にも、ユニークな用語が数多く存在します。ボリュームの増量を表すものから、食べ方のテクニックや文化まで、ラーメンの楽しみ方が詰まっています。
マシマシ

トッピングを特大サイズで注文すること。「野菜マシマシ」や「ニンニクマシマシ」などでボリューム満点の一杯に。「アブラ増し」は、背脂や追加の脂を増量する注文方法。二郎系ラーメンで定番のオプションで、スープのコクが一気に増す。
天地返し(てんちがえし)
ラーメンの具材や麺を上下逆さまにして混ぜる食べ方。スープと麺の絡みを均一にするため、二郎系ラーメンでよく見られる。
朝ラー
朝ラーは、朝にラーメンを食べる文化で、福島県喜多方市で定着している。喜多方ラーメンは醤油ベースのあっさりスープが多く、朝でも食べやすい。今では全国にも広がり、朝限定のラーメンを出す店も増えている。
箸上げ(はしあげ)

麺を箸で持ち上げて写真を撮る行為。SNS映えを狙うラーメンマニアの定番。背景を黒にして、湯気が写るようにするとシズル感が増し、おいしそうに撮影することができる。
メンマ

ラーメンの定番トッピングのひとつで、発酵させたタケノコを加工したもの。主に麻竹(まちく)という種類のタケノコを塩漬けにして発酵させた後、水戻しして味付けする。中国では「筍干(スンガン)」や「笋(スン)」と呼ばれることもある。
夜鳴きそば

夜鳴きそば(よなきそば)とは、夜間に屋台や移動販売で提供されるラーメンのことを指す。明治時代から、仕事帰りの人や飲み会後の客に親しまれてきた。名前の由来は、屋台のラッパや鐘の音が夜の街に響くことからきている。スープは鶏ガラや魚介を使ったあっさり系の醤油味が主流で、細めの麺と相性が良い。
雷文

雷文(らいもん)は、ラーメン丼の縁などに使われる、雷の稲妻を模した幾何学的な模様のこと。古代中国の青銅器や陶器にも見られる伝統的な装飾で、日本にも伝わった。ギリシャのメアンダー模様(鍵繋ぎ文様)とも類似している。ラーメン丼では赤や金色で描かれることが多く、雷はエネルギーや繁栄を象徴し、縁起の良い模様として定着した。ラーメンだけでなく、中華料理の食器や装飾にも広く用いられる。
ラーメンの種類の用語
家系(いえけい)

横浜発祥の豚骨醤油ラーメン。太いストレート麺やほうれん草、海苔が特徴。濃厚なスープと白米の相性が抜群。ご飯との相性が抜群で、「ライス無料」のサービスを提供する店も多い。
油そば(あぶらそば)

スープの代わりにタレと油で味付けされた汁なしラーメン。混ぜて食べるスタイルで、トッピングの自由度が高い。辛味やガーリック、マヨネーズなどを追加して味変を楽しむのも人気。
二郎系(じろうけい)

ボリューム満点のラーメンで、極太麺、濃厚スープ、山盛りの野菜が特徴。極太麺と濃厚な豚骨醤油スープが特徴で、こってりとした味わいが人気。大量のもやしやキャベツがトッピングされ、ボリューム満点。チャーシューは分厚くて食べ応えがあり、ニンニク、アブラ、カラメ(タレの濃さ)をカスタマイズできる店も多い。
淡麗系(たんれいけい)

透明感のある澄んだスープを特徴とするラーメン。じっくりと炊いて作っており、素材の繊細な味を楽しめる。
濃厚系(のうこうけい)

スープが濃厚でクリーミーなラーメン。豚骨や鶏白湯スープによく見られる。れんげが立てられるくらい濃厚なスープを使ったラーメンもある。
煮干し系(にぼしけい)

煮干しを大量に使ったスープが特徴。魚介の旨味が濃厚で、特有の香りが楽しめる。
煮干しラーメンから始まった和え玉(あえだま)は、替え玉の一種で、味付けされた麺をそのまま楽しむもの。スープを使わず、タレや薬味で味わう。
辛麺(からめん)

唐辛子やラー油が効いた刺激的な一杯。辛麺は、宮崎県発祥のピリ辛ラーメンで、唐辛子をたっぷり使ったスープが特徴。スープは醤油ベースが多く、ニンニクやひき肉が加わり、辛さと旨味が絶妙に調和しています。麺はこんにゃく麺(通称「韓国麺」)が主流で、弾力がありスープとよく絡みます。
鶏白湯系(とりぱいたんけい)

鶏ガラを長時間煮込んで作る白濁スープが特徴のラーメン。スープはまろやかでクリーミーな口当たりで、コクがありながらも優しい味わい。豚骨ラーメンに比べて臭みがなく、あっさりしているが深い旨味がある。鶏ベースのため脂が控えめで、ヘルシー志向の人にも好まれる。
札幌系(さっぽろけい)

札幌系ラーメンは、北海道札幌市発祥のご当地ラーメン。味噌ラーメンが代表的で、濃厚でコクのあるスープが特徴。中太縮れ麺が主流。寒冷地の札幌に適した、体が温まるラーメンとして人気で、バターを浮かべることで膜を作り、スープが冷めてしまうのを防いでいる。濃厚なスープとバターの風味がクセになる味わい。
喜多方系(きたかたけい)

喜多方ラーメンは、福島県喜多方市発祥のご当地ラーメン。醤油ベースのスープが主流で、あっさりしつつもコクのある味が特徴。豚骨や煮干し、鶏ガラを使ったスープが一般的。麺は太めの平打ち縮れ麺で、もちもちとした食感。
博多系(はかたけい)

福岡県博多発祥の豚骨ラーメンで、濃厚な白濁スープが特徴。豚骨を長時間煮込むことで、コクがありながらもクリーミーな味わい。麺は極細のストレート麺が主流で、茹で加減は細かく調整が可能。「替え玉」という追加の麺を注文できる独自の文化がある。
ご当地風土では博多豚骨ラーメンを販売しております。クリーミーなのにあっさりしたスープと、もちもち&しこしこの食感を重視した熟成生麺で作るこだわりの博多豚骨ラーメンをぜひご賞味ください。

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尾道系(おのみちけい)

広島県尾道市発祥のご当地ラーメン。醤油ベースのスープに、豚の背脂を浮かせたコクのある味わいが特徴。スープには鶏ガラや煮干しを使い、麺は平打ちのストレート麺が主流。トッピングにはチャーシュー、メンマ、ネギなどシンプルな具材が使われる。
ご当地風土では尾道ラーメンを販売しております。熟成生麺と、魚介のあっさり醤油ベースのスープに濃厚なコクを生み出す醤油ミンチを再現した特製スープが織りなすハーモニーを是非お楽しみください。

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まとめ

ラーメンの世界には、独特な用語や文化が根付いており、マニア向けの表現も多く存在します。これらの用語を知ることで、ラーメンをより深く楽しむことができ、店での注文や食べ方にもこだわりが生まれるでしょう。地域ごとの特色や、時代とともに進化するラーメン文化が、新たな言葉やスタイルを生み出しています。本記事で紹介した用語を参考に、ラーメンの魅力をより一層味わってみてください。あなたのラーメンライフがさらに楽しくなることを願っています。
ご当地風土では、他にも様々な種類のラーメンを販売中!臭みの少ない豚骨の熊本ラーメンや、鳥取県でおなじみの豚骨ではなく牛骨を使ったラーメンなど、バラエティに富んだご当地ラーメンをぜひチェックしてみてください♪
