【保存版】バナナについて徹底解説!美味しいバナナの見分け方から長く保存できる方法、珍しい種類まで!

スーパーやコンビニで手軽に購入できるバナナ。総務省家計調査によると2004年以降18年連続でよく食べる果物1位になっており日本人の食生活に最も身近なフルーツです。
バナナはバナナベルト地帯と呼ばれる南アジアの熱帯地方が原産とされているバショウという草本になる実の総称で、現在日本で流通しているバナナはほとんど輸入されているもので、国内市場に出回っている約84%がフィリピン産。続いてエクアドル産が7%、メキシコ産5%となっています。

バナナの旬

年間を通して安定輸入されているため、旬は無いといえます。
しかし沖縄で栽培されている「島バナナ」は旬があり、早いものは5月下旬から遅いものは10月頃と幅広いです。最盛期の旬は7月から9月の間となります。

バナナの種類

栽培されているバナナの種類は100種類を超えると言われています。
バナナは大きく「生食用」と「調理用」の2種類に分けることが出来ます。

生食用バナナ

生食用バナナの主な品種には、 「ジャイアント・キャベンディッシュ」、「セニョリータ」、「モラード」、「ラカタン」、「北蕉」、「ラツンダン」などがあります。果肉がやわらかく熟したものを、主に生で食します。

ジャイアント・キャベンディッシュ

フィリピン、エクアドル、ペルー、メキシコ、グアテマラ、コスタリカで主に生産されています。
世界シェアのおよそ50パーセントと最も流通量の多い品種であり、私たちが普段食べるバナナの多くはこの品種です。日本では1970年代から流通し始め、日持ちに優れているのが特徴です。

セニョリータ

別名「モンキーバナナ」とも呼ばれ、主にフィリピンで生産されています。1本の長さが7~9cmほどとキャベンディッシュ種と比較して短い品種です。
皮が比較的薄く、果肉の色はキャベンディッシュ種と同じような色をしています。
一時期は輸入量が減ったものの、近年販売量は増えちょくちょく目にするようになりました。小さくスナック感覚で食べられるバナナとして小さな子供にもお勧めです。

モラード

別名「レッド・バナナ」とも呼ばれているバナナで主にフィリピンで生産されています。
モラードとはスペイン語で「紫色」を意味しています。このバナナの表皮の色からそう呼ばれるようになったのでしょう。日本では輸入量が少なく、極まれにしか見かけることはありません。

ラカタン

ラカタン種はもともとフィリピンで親しまれ、日本で定着しているキャベンディッシュ種よりも人気があるバナナです。
色や形はキャベンディッシュ種とよく似ていますが、一番の違いは含まれているクエン酸の量です。なんとキャベンディッシュ種の1.5倍も含まれています。

北蕉

台湾で主に生産されている品種で200年以上前に中国から持ち込まれたと言われています。
キャベンディッシュ種と比べて見た目はやや太く短く、少しねっとりとした食感で濃厚な風味が特徴的な品種です。

ラツンダン

主にフィリピンで生産されていて、フィリピンでは生食用バナナとして人気の品種です。 セニョリータよりは大きいですが、比較的太く短い品種で甘みが強くやや酸味がある食味が特徴的です。

調理用バナナ

調理用バナナの主な品種には、「ツンドク」、「カルダバ」、「リンキッド」などがあります。
調理用バナナは皮が緑色の状態で利用することが出来ますが甘味は少なく果肉がかためのため、バナナチップスにしたり炒めて砂糖をまぶしたりすることで特有の甘さと食感を楽しむことが出来ます。
日本での流通量は多くないためほとんど目にすることはありません。

ツンドク

フィリピンで主に生産されていて、40cmほどまで大きくなる大型の品種です。実の形が牛の角に似ていることから「ホーンバナナ」、「牛角バナナ」とも呼ばれています。
皮が硬いため、剥くには包丁等の刃物が必要になります。

カルダバ

フィリピンで主に生産され、フィリピンで最も人気のある調理用バナナです。
角張っているのが特徴的な品種で加熱調理をすると芋のような食感になります。
バナナチップス、ハロハロ、バナナキューなど多くのフィリピン料理に使用されています。

リンキッド

インドネシアで主に生産されている品種です。 バナナ同士がピッタリくっついており房全体が扇状の形をしているのが特徴です。

日本のバナナ

輸入量に比べるとほんのわずかですが、国産のバナナも流通しています。
日本国内のバナナの生産量1位は沖縄で国内シェア約48%となっています。その次に鹿児島・宮崎と続きます。
外国産のバナナは運輸時間を計算して早めに収穫されるのに比べ、国産のバナナは大きく実ってから適切なタイミングで収穫されます。そのため成熟度が違い特有のもっちりとした果肉に豊潤で豊かな香りが特徴的です。

バナナの栄養

バナナのカロリーは一本あたり86kcalと低く、お米に換算するとお茶碗半分ほどしかありません。またバナナには日常生活には欠かせない栄養素がたくさん含まれているため、健康的な生活には欠かせない果物です。

バナナに含まれている栄養素

  • カリウム
  • マグネシウム
  • 食物繊維
  • 糖質
  • ビタミンB群
  • ポリフェノール
  • アミノ酸

カリウム

人の体に必要なミネラルのひとつで、浸透圧を調整する働きがあります。ナトリウム(塩分)を排出する作用があり、高血圧やむくみの解消に役立ちます。カリウムは加熱によって失われやすい栄養素で約30%が減ってしまいます。一方、バナナは生で食べられるのでカリウムを失うことなく摂ることが出来ます。

マグネシウム

マグネシウムは魚や大豆などに多く含まれる栄養素ですが、果物の中で含有量が多いのがバナナです。骨にとって欠かせないのがマグネシウムで、カルシウムとともにバランスよく摂取することで健康な骨を保つことができます。
また、マグネシウムは体の代謝作用全般でも欠かせない栄養素で、不整脈の予防や体温や血圧を調整する働きを助けます。

食物繊維

食物繊維は、食事でとった栄養素の吸収速度を遅くしたり、有害物質を体外に排出したりする働きがあります。食物繊維には水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維の2種類あり、水溶性の食物繊維には食後の血糖値の上昇抑制やコレステロール値を低下させる効果があります。また不溶性食物繊維は食事中の噛む回数を増やし満腹感を与える効果や便のカサを増やすことで腸を刺激し便通を促す効果があります。

糖質

糖質は体にとって大事なエネルギー源です。
糖質と聞くと血糖値が気になる人も多いかもしれませんが、バナナは食物繊維を一緒に含んでいるので糖質の消化吸収速度が緩やかになります。結果として腹持ちが良く、血糖値が急激に上昇しません。
バナナは、でんぷん・ブドウ糖・果糖・ショ糖などさまざまな糖質を含んでいて、種類によって体内で消化吸収される時間が異なります。即効性と持続性を併せ持っていることから、持続的なエネルギー補給が可能になり集中力アップ効果が期待出来ます。

ビタミンB群

バナナ含まれるビタミンB群は水溶性ビタミンで主にエネルギー代謝を円滑にする役割を果たします。
疲労回復に関与している「ビタミンB1」、体の成長や髪や皮膚を健康に保つために必要な「ビタミンB2」「ビタミンB6」「ナイアシン」、赤血球を作るためには欠かせない貧血対策にも大切な「葉酸」がバランスよく含まれています。
またこれらはたくさん摂取しても余分なものは尿として排出されるため、毎食コンスタントに摂りたい栄養素です。
特にビタミンB1や葉酸は調理による損失が多い栄養素ですが、バナナなら生で食べることができるため栄養素を失うことなく摂取することが出来ます。

ポリフェノール

ポリフェノールは赤ワインや緑茶のイメージが強い栄養素ですが、実はバナナにも含まれています。
ポリフェノールには強い抗酸化作用と活性酸素を取り除く働きがあり、生活習慣病の予防にも効果が期待できます。
熟したバナナほどポリフェノールの含有量が高いため、シュガースポット(茶色い斑点)が現れて甘くなってきた「食べ頃」をおいしくいただくのがおすすめです。

アミノ酸

アミノ酸の一種である「トリプトファン」はセロトニンを作るためには欠かせない栄養素です。
セロトニンとは脳内の神経伝達物質で「神経を落ち着かせる」「睡眠を促す」などの働きがあります。トリプトファンは果物の中でも特にバナナはトリプトファンを多く含んでいます。

美味しいバナナの見分け方(食べごろ)

店頭でバナナを買う際は一本が太くて大きいもの、本数の少ないものを選ぶと良いでしょう。
バナナは1房で200本ほどの実をつけます。そのため房の真ん中と端では大きさがかなり違うのです。
バナナの食べごろは皮全体が黄色になり、シュガースポットと呼ばれる黒い斑点が出たあたりまでです。シュガースポットが出てくると、最も甘味が強くなります。しかしシュガースポットが多いほうがよいかというとそうではなく、熟し過ぎると苦味が出始めますので気を付けてください。

バナナの保存方法

バナナは温度や湿度など保存する環境によって保存期間は異なりますのでお好みの熟度になったらお早めにお召し上がりください。
食べきれない場合は、お好みの熟度の状態になるまで15~20℃の場所に置いておき、追熟が完了した後に冷蔵庫での保存がおすすめです。
1本ずつビニール袋または新聞紙に包んで冷蔵庫の野菜室で保存することで、常温で保存するよりも若干、長持ちします。
またバナナは自らエチレンガスを発生させます。
エチレンガスとは、追熟を促すガスのことで、野菜や果物などが分泌する植物ホルモンの一種です。自らの熟成を促す働きがあると同時に周囲にある他の野菜や果物にも追熟の影響を与えるため、バナナは房の状態で何本もついていると、となり合うバナナ同士で熟すのを早めてしまいます。
長持ちさせるためには、バナナを房から1本1本切り離して保存するのがポイントです。

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