近年、人気急上昇中の期待の柑橘「河内晩柑(かわちばんかん)」をご存知でしょうか?見た目はグレープフルーツに似ていますが、日本生まれの純国産フルーツなんです。今回は河内晩柑の味や別名、食べ方、レシピなど、河内晩柑の魅力について徹底解説いたします!
河内晩柑とは
女性を中心に話題沸騰中の大人気柑橘「河内晩柑」。読み方は「かわちばんかん」といいます。
黄色の厚い外皮と大粒の果肉。まさにグレープフルーツのような見た目と大きさですが、日本生まれの柑橘ということで「和製グレープフルーツ」と呼ばれることもあります。
気になる味は、グレープフルーツのように苦味があるわけでもなく、酸味もマイルド。さっぱりとした果汁がじゅわっと口の中に広がるジューシーな味わいです。
通常の「みかん・柑橘」の流通量は冬がピークですが、晩柑類とよばれるグループに属する河内晩柑は初夏から夏の時期に収穫されます。果汁もたっぷりなので夏の水分補給・栄養補給にピッタリなんです!
河内晩柑の歴史
河内晩柑は1905年に熊本県の河内町で発見された自生種で、文旦から偶然生まれた品種であると考えられています。
余談ですが…河内晩柑と同じく文旦から生まれた品種であるグレープフルーツは1750年代には発見されていました。また、2000年代に入って日本でも普及してきたマンゴーは、原産国のインドで2000年以上前から栽培されていたことが分かっています。
100年以上も前に見つかったと考えると、とても歴史のある果物のようにも感じますが、フルーツの歴史から考えると、河内晩柑は発見されたばかりの「新しい果物」なのです。
熊本県で発見された河内晩柑ですが、現在では熊本県以外にも愛媛県などの西日本各地で栽培されています。地域によって別名が多いことも特徴のひとつで、「和製グレープフルーツ・愛南ゴールド・宇和ゴールド・美生柑・夏文旦・ジューシーフルーツ・ハーブ柑・灘オレンジ・天草晩柑」など、その土地ならではの名称で販売されています。
河内晩柑と文旦の違い
河内晩柑は文旦から偶然生まれた偶発実生(ぐうはつみしょう)と言われています。偶発実生とは、人の手が加わることなく、自然に落ちた種から生まれた品種の事。簡単に言えば、たまたま美味しい実がなる文旦が生え、それが全国に広まったのです。
河内晩柑と文旦類の最も違うポイントは皮の柔らかさ。一般的な文旦は包丁を使わないと向けないような品種も多いですが、河内晩柑は手で簡単に剥くことができ、手軽に食べることができます。
河内晩柑の旬はいつ?
河内晩柑は毎年5月ごろに花を咲かせて実をつけますが、その年には収穫されることはありません。実をつけたまま冬を越し、8か月~1年以上の時間をかけて大きく育てて収穫が始まります。
河内晩柑の収穫は、早いものだと3月ごろから始まりますが、遅いものは8月下旬ごろまで木成り状態で熟成されます。
そのため、通常の河内晩柑であれば4月~6月ごろが最も旬の時期となりますが、木成りで完熟させた河内晩柑は6月~7月ごろが最も食べ頃です。
時期によって味が変わる
旬の時期が数か月にわたる河内晩柑。出荷初期と収穫終盤では全く違う果物のように味が変わることでも知られています。
3月~5月頃の味
出荷初期は甘味がありつつも、酸味も感じることができる濃い味の河内晩柑。果肉が柔らかく、果汁がたっぷりなのでジュースづくりにも最適です。実が柔らかく果汁が多いため、じょうのう(薄皮)から剥くのには苦労しますが、河内晩柑の濃い味を楽しむことができます。
6月~7月頃の味
徐々に酸味が少なくなり、まろやかでマイルドな味わいに。果汁が少なくなってくるため、さっぱりとした食味に変わっていきます。酸味と甘みのバランスが取れており、万人受けする味です。
7月以降の味
7月以降の河内晩柑は、果汁がとても少なくなることで実が引き締まり、果肉がパリッとしてきます。甘みも控えめでさっぱりとした味わいとプチプチした果肉感を楽しめます。
代表的な河内晩柑の別名
河内晩柑は生産地によって独自の別名で販売されることが多いので、知らず知らずのうちに食べたことがある方もいらっしゃるかもしれません。河内晩柑の別名を見ていきましょう。
和製グレープフルーツ
河内晩柑の別名として良く見かけるのが、和製グレープフルーツという名称。日本生まれのグレープフルーツのような果物ということで和製グレープフルーツと呼ばれていますが、分類上はグレープフルーツとは異なる柑橘です。
ジューシーフルーツ
たっぷりの果汁がイメージできるジューシーフルーツ(ジューシーオレンジ)という名称。熊本県や、全国のネット通販店舗で販売される際の商品名として使われることが多いようです。
宇和ゴールド
河内晩柑の一大産地である愛媛県宇和島市では「宇和ゴールド」の名称でブランド化されています。主にJAえひめ南で取り扱われており、ネット通販でお取り寄せでも人気です。
愛南ゴールド
河内晩柑の生産量日本一を誇る愛媛県愛南町では、愛南ゴールド(あいなんごーるど)というブランド名の河内晩柑が大人気。姉妹都市である台湾でも販売を行っており、地域をあげて河内晩柑の知名度向上を目指しています。
夏文旦
愛媛県の隣、高知県では河内晩柑を「夏文旦」という名称で呼ぶことが多いです。高知県といえば土佐文旦の生産量が日本一!土佐文旦の出荷が落ち着いてくる夏の時期が愛南ゴールドの最盛期。隣県でバトンパスをするように夏の柑橘を盛り上げています。
近年知名度上昇中!河内晩柑を試してみよう
河内晩柑の生産地は愛媛県と熊本県に集中していますが、ネット通販の普及とともに、人気・知名度ともに急上昇中。旬の時期に何度もリピートして、時期による味の違いを楽しむ方も多いんです!みかん・柑橘好きの方は超チェックの河内晩柑!ぜひ、お試しください!