【徹底解説】みかんの栄養おいしいみかんの選び方や保存方法についても解説

日本で最も有名で最も食べられている果物といっても過言ではないみかん。よく食べるが故に、どんな栄養素が含まれているのか、みかんを食べて得られる効果は何があるのか、実は知らなかったりします。そこで本記事では、みかんの栄養素から効果、選び方、保存方法について解説します。

みかんの栄養

ビタミンC

みかんはビタミンCの豊富な果物の一つで、免疫機能の維持コラーゲンの生成に重要な栄養素です。
ビタミンCは強力な抗酸化作用を持ち、細胞を酸化から保護し、老化や慢性疾患のリスクを低減すると言われています。
また、鉄の吸収を促進し、貧血の予防やストレス・疲労の軽減にも寄与すると言われています。
ビタミンCは新陳代謝を促進するとも言われており、傷の癒着を助け、健康な歯や骨を維持するとされています。

ビタミンA

ビタミンAは視力、皮膚の健康、免疫機能のサポートなどに重要な役割を果たします。
カロテノイドとしても知られるベータカロテンは、体内でビタミンAに変換されるのです。

みかんには僅かな量しかビタミンAは含まれていませんが、他の栄養素と合わせて摂取することができます。

葉酸

葉酸は細胞分裂やDNA合成に不可欠であり、特に妊娠初期の女性にとって非常に重要な栄養素と言われています。葉酸の不足は神経管障害などの問題を引き起こす可能性があります。

妊娠中や妊娠を計画している場合は、葉酸を十分に摂取することが勧められます。
一般的に、葉酸は緑黄色野菜、豆類、穀物、レバーなどの食品に多く含まれており、みかんで葉酸を摂取するのは向いていません。

カリウム

みかんには、カリウムが豊富に含まれています。カリウムは体内の電解質として重要であり、細胞の機能、神経伝達、筋肉収縮などに不可欠な栄養素です。特に心臓の健康に寄与し、正常な血圧を維持するのに役立ちます。

みかんに含まれるカリウムは、血圧をコントロールするうえで特に重要で、適切なカリウム摂取は、ナトリウム(塩分)とのバランスを保ち、高血圧を予防するとされています。
また、カリウムは尿の排泄を通じて余分なナトリウムを排除し、体内の水分バランスを調整する役割も果たします。

しかし、過剰なカリウム摂取も問題となることがあります。特に腎臓機能に問題がある場合は、医師の指示に従い、適切なカリウムの摂取を心掛ける必要があります。

たんぱく質

みかんは一般的にたんぱく質の良い供給源ではなく、みかんは主に水分と糖分から成る果物で、たんぱく質はごくわずかしか含まれていません。
通常、たんぱく質は肉、魚、乳製品、大豆製品などの他の食品から摂取します。

たんぱく質は体内の細胞の構造や機能を維持し、成長や修復をサポートします。

脂質

脂質は体にとって重要で、細胞構造やホルモン合成、栄養素の吸収などに関与しています。
ただし、過剰な脂質摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
みかんは低脂質であるため、脂質制限が必要な場合やダイエットなどには向いています。

みかんには鉄分が含まれていますが、量はそれほど多くありません。

鉄分は血液中のヘモグロビンの主成分であり、酸素を体中に運搬する役割を果たしています。
みかんの鉄分は非ヘム鉄と呼ばれ、肉や魚に含まれるヘム鉄と比べて吸収率がやや低いとされています。

ただし、みかんにはビタミンCが豊富に含まれており、これが鉄の吸収を促進する助けになります。ビタミンCは非ヘム鉄を腸からより効果的に吸収させる働きがあるため、みかんを他の鉄豊富な食品と一緒に摂ることで、鉄の吸収が向上し、貧血の予防や鉄の十分な供給が期待できます。

食物繊維

みかんは食物繊維が豊富に含まれており、特に不溶性食物繊維が主な成分です。食物繊維は主に果皮に多く含まれています。不溶性食物繊維は水に溶けにくく、腸内で水分を吸収して便のかさを増やし、腸の健康を促進します。これにより、便通を改善し、便秘の予防に寄与します。

また、食物繊維は血糖値の上昇を緩やかにし、コレステロール値の調整にも寄与します。みかんの食物繊維は溶解性のペクチンも含まれており、これが血糖値やコレステロールのコントロールに寄与する要因となります。

カロリー

みかんは低カロリーかつ栄養価が豊富な果物の一つです。一般的な中サイズのみかん(約130グラム)は、おおよそ50カロリー程度です。主成分は水分で、約87%が水分で構成されています。残りの部分には炭水化物、特に自然な果糖や食物繊維が含まれています。

低カロリーでありながら、みかんはビタミンC、ビタミンA、カリウム、食物繊維を含んでおり、免疫機能の強化や健康的な消化器系の維持に寄与します。また、みかんの果皮にもポリフェノールやアンチオキシダントが含まれているため、デザートなどには低カロリーの果物として向いています。

みかんを食べて得られる効果

血流改善

みかんは主にビタミンCの豊富な供給源として知られています。
ビタミンCは強力な抗酸化作用を有し、血管内の悪玉コレステロールを減少させ、血管の健康を促進します。

また、みかんには食物繊維も含まれており、これが血糖値の上昇を緩やかにし、血管機能をサポートする一因となります。

一般的に、血流改善は心血管系への良好な影響と関連しています。正常な血流は心臓と血管系の健康を保ち、血液が全身に十分に供給されることで各組織や臓器が正常に機能します。

感染症予防

みかんはビタミンCが豊富に含まれており、これが感染症予防に寄与する可能性があります。ビタミンCは強力な抗酸化作用を持ち、免疫機能を強化し、抵抗力を向上させます。これにより、ウイルスや細菌に対する身体の防御力が向上し、感染症から身を守るのに役立ちます。

また、みかんに含まれる食物繊維も腸内環境を整え、免疫機能をサポートします。腸は免疫細胞が豊富に存在し、良好な腸内環境は感染症からの防御に重要な役割を果たします。

むくみの改善・予防

みかんはむくみの改善に寄与する可能性があります。みかんに含まれるカリウムは尿を増やし、余分なナトリウムを排泄するのを助け、体内の水分バランスを調整します。これにより、むくみを軽減するとされています。

さらに、みかんには食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は腸の動きを促進し、便秘の軽減や排便の促進に寄与します。便秘が解消されると、むくみも改善されることがあります。

高血圧の予防

みかんには高血圧の予防に寄与するとされています。
みかんに豊富に含まれるカリウムは、血圧を調整する上で重要なミネラルです。カリウムはナトリウムとのバランスを取り、血管を拡張させ、血圧を下げる効果が期待できます

さらに、みかんに含まれるビタミンCも高血圧のリスクを軽減する可能性があります。ビタミンCは血管の柔軟性を向上させ、血管内の炎症を軽減する働きがあります。

動脈硬化の予防

みかんには動脈硬化の予防に寄与する可能性があります。みかんに豊富に含まれるビタミンCは、抗酸化作用があり、血管内の酸化ストレスを軽減します。これにより、血管の内側の壁に蓄積する酸化した脂質やコレステロールの形成を抑制し、動脈硬化の進行を遅らせることが期待されます

また、みかんには食物繊維も豊富に含まれています。食物繊維はコレステロールを吸収し、腸内で排泄させる助けをします。これにより、血中コレステロールレベルの調整に寄与し、動脈硬化のリスクを軽減する可能性があります。

美肌・美白効果

みかんは美肌や美白に良い影響を与える可能性があります。まず、みかんに豊富に含まれるビタミンCは、抗酸化作用があり、肌の酸化ストレスから守ります。これにより、シミやそばかすの形成を防ぎ、美白効果が期待できます。

ビタミンCはまた、コラーゲンの生成を促進し、肌のハリや弾力性をサポートします。これにより、しわやたるみを軽減し、肌を若々しく保つ助けになります。

みかんには食物繊維も含まれており、腸内の健康をサポートします。腸内環境の改善は肌のコンディションにも影響を与え、美肌効果に寄与する可能性があります。

ストレスの緩和

かんはストレスの緩和に寄与する可能性があります。まず、みかんに含まれるビタミンCは、ストレスホルモンであるコルチゾールの制御に役立ちます。ビタミンCは抗酸化作用を持ち、ストレスによる酸化ストレスから身体を保護します。

また、みかんの香り自体がリラックス効果をもたらすことがあります。柑橘系の香りは、神経を鎮め、気分をリフレッシュさせる働きがあります。

さらに、みかんに含まれる天然の糖分が、脳内のセロトニンと呼ばれる神経伝達物質の生成を促進し、気分を安定させる効果が期待されます。

疲労回復

みかんは疲労回復に寄与する可能性があります。まず、みかんに豊富に含まれるビタミンCは、抗酸化作用を持っています。過酷な運動やストレスによって生じた酸化ストレスから身体を守り、疲労を軽減します。また、ビタミンCは鉄の吸収を促進し、貧血による疲労感を緩和する効果も期待されます。

さらに、みかんに含まれる天然の果糖とブドウ糖は、即効性のエネルギー源となり、疲れた身体を効果的にサポートします。

また、水分補給も重要な疲労回復の要素であり、みかんには約87%もの水分が含まれています。これにより、脱水症状を防ぎ、体内の水分バランスを保つ効果が期待できます。

便秘の解消

みかんは便秘の解消に一定の効果があります。みかんに豊富に含まれる食物繊維は、腸の動きを促進し、便のかさを増やす役割を果たします。この作用により、便通が改善され、便秘の症状が軽減される可能性があります。

特にみかんの果肉や膜に多く含まれる不溶性食物繊維は水分を吸収し、腸内の便を柔らかくする効果があります。これにより、便がスムーズに腸を通過しやすくなります。

また、みかんに含まれる天然の果糖も腸の運動を促進し、便通をサポートします。便秘の改善には、水分補給も重要です。みかんは約87%が水分で構成されているため、水分補給にも寄与します。

美味しいみかんの選び方

  1. 重さと手ごたえ: みかんは重みがあるものが選ばれます。手に取ってみて、しっかりと重みが感じられるものを選びましょう。これは果実が水分を含んでいる兆候です。
  2. 表面のつや: みかんの表面がつややかであることが好ましいです。つやがあるということは、果実が新鮮でジューシーである可能性が高いです。
  3. 皮の色: 一般的には、みかんは橙色が美味しさの指標です。しかし、品種によっては緑色の部分が残っている場合もあります。完全に緑色のものよりも、橙色がかっている方が熟していることが多いです。
  4. 皮のつるつる感: みかんの表面がつるつるしているものが新鮮である傾向があります。くぼんでいる部分やシワが少ないものを選びましょう。
  5. 香り: みかんが熟れていると、甘い香りがします。手に取ってにおいをかいで、良い香りがするか確認してみてください。
  6. 形状: 一般的には、形の整ったものよりも少し変形しているものの方が熟れている可能性があります。形は重要ではないので、見た目にこだわりすぎずに味を重視しましょう。

みかんの保存方法

常温保存

未開封のみかんは常温で保存できます。ただし、直射日光を避け、風通しの良い場所に置くようにしましょう。部屋温度で1週間ほど保存可能です。

冷蔵庫保存

長期保存を希望する場合は、みかんを冷蔵庫に保存すると良いです。袋に入れずに、通気性のある袋やネットに入れて保存します。ただし、冷蔵庫で保存すると表面が白くなることがありますが、これは果肉が冷えることによるもので味には影響ありません。

密閉容器やジップロック袋に入れる

切ったり、剥いたみかんを保存する場合は、密閉容器やジップロック袋に入れて冷蔵庫に保存すると、鮮度を保ちやすくなります。

冷凍保存

みかんをスライスして冷凍しても良い方法です。冷凍庫で数週間から数ヶ月保存可能です。凍ったみかんはシャーベットのような食感で美味しいです。

みかんの保存期間

常温保存の場合

未開封のみかんは、常温で1週間程度保存できます。ただし、気温や湿度によって変わるため、できるだけ風通しの良い場所で保存し、直射日光を避けましょう。

冷蔵庫保存の場合

未開封のみかんを冷蔵庫で保存すると、保存期間が延びます。通気性のある袋やネットに入れ、冷蔵庫で約2週間程度保存できます。ただし、冷蔵すると表面が白くなることがありますが、これは味には影響ありません。

冷凍保存の場合

みかんを凍らせると、数ヶ月間保存が可能です。スライスやくり抜いたセグメントなど、使いやすい形にしてから冷凍すると便利です。凍ったまま食べても美味しいですし、解凍して使うこともできます。

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