
おからは、豆腐を作る過程で生まれる栄養豊富な食材です。かつては「豆腐の搾りかす」として扱われることもありましたが、近年ではヘルシーフードとして注目されています。
さらに、お財布にも優しい節約食材でもあるため、毎日の食卓に取り入れれば、健康と経済の両方にメリットがあります。
この記事では、おからの魅力・栄養素・効能から、ダイエットや節約に役立つレシピ、食べ過ぎのデメリットまで詳しくご紹介します。
おからを上手に活用して、健康的でおいしい食生活を楽しみましょう!
おからとは?
おからは、大豆から豆腐や豆乳を作る過程で生まれる副産物で、日本の食文化に古くから根付いてきました。

江戸時代(17世紀)豆腐が庶民の間で一般的な食品となり、おからも活用されるようになりました。そのまま食べるのではなく、味付けをして炒めたり、煮たり。「卯の花(うのはな)」も誕生しました。
明治〜昭和(19〜20世紀)になると、工業化で豆腐の生産が増え、おからの食用利用が減少しましたが、現代、健康志向と食品ロス削減の観点から再注目されています。
- 「卯の花」という呼び名 は、おからの白い色が「卯の花(ウツギの花)」に似ていることから名付けられたといわれています。
- おからは「雪花菜(きらず)」という別名もあります。「切らずに食べられる(包丁を使わない)」ことが由来とされています。
✅ 食物繊維が豊富 でお腹の調子を整えやすい。
✅ 低糖質&低カロリー でダイエット向き。
✅ 植物性たんぱく質 を含み、健康的な食生活をサポート。
✅ 安価で手に入りやすく、節約にも役立つ。
✅ 料理のアレンジが自由自在!主食・おかず・スイーツにも活用可能。
おからの種類
生おから

✅豆腐を作る際に出る絞りたての状態のおから。
✅水分が多く(約75~80%)、しっとりしている。
✅賞味期限が短く、冷蔵保存でも 2~3日以内に食べきるのが理想。
📌おすすめの使い方
- 煮物、炒め物(卯の花など)
- ハンバーグのつなぎ
- クッキーやパンの生地
乾燥おから(おからパウダー)

✅生おからを乾燥させて粉状にしたもの。
✅水分がほぼなく、長期保存が可能(常温保存OK)。
✅水や牛乳で戻すと生おからのように使える。
📌おすすめの使い方
- 小麦粉の代わりに使用(パンやお菓子作り)
- ヨーグルトやスープに混ぜる
- ご飯に少し混ぜてヘルシーな「おからご飯」
炒りおから

✅生おからをフライパンで乾煎り(からいり)したもの。
✅水分が飛び、長期保存しやすくなる。
✅料理に混ぜやすく、使い勝手が良い。
📌おすすめの使い方
- 卯の花やそぼろ風の炒め物
- おからサラダ
- おからケーキやクッキーの材料
生おからと乾燥おからの栄養素の違い

生おから(乾燥していない状態)と乾燥おから(おからパウダー)では、水分量が大きく異なるため、同じ重量あたりの栄養素の濃度に違いがあります。
栄養成分の比較(100gあたり)
成分 | 生おから(100g) | 乾燥おから(100g) | 特徴 |
---|---|---|---|
エネルギー | 約88kcal | 約333kcal | 乾燥おからはエネルギーが約4倍 |
たんぱく質 | 約6.1g | 約23.1g | 植物性たんぱく質が豊富 |
脂質 | 約3.6g | 約13.6g | 良質な大豆由来の脂質 |
糖質 | 約2.3g | 約8.7g | 低糖質で血糖値が気になる方にも◎ |
食物繊維 | 約11.5g | 約43.6g | 乾燥おからは食物繊維が非常に多い |
カルシウム | 約81mg | 約310mg | 骨の健康をサポート |
鉄分 | 約1.3mg | 約4.9mg | 貧血対策に役立つ |
カリウム | 約350mg | 約1300mg | 塩分排出をサポート |
大豆イソフラボン | 約10~15mg | 約40~60mg | 健康的なライフスタイルをサポート |
葉酸 | 約14μg | 約53μg | 疲労回復のサポート |
【出典元】
日本食品標準成分表(八訂)(文部科学省)
💡 ポイント
- 乾燥おからは栄養価が濃縮 されているため、少量で多くの栄養を摂れる
- 食物繊維が特に多く、乾燥おから100gで1日分の食物繊維を補える
- 鉄分・カルシウム・カリウムも多く含まれる
- イソフラボンやレシチンも生おからより乾燥おからが高濃度
どちらを選ぶべき?生おから vs. 乾燥おから
生おからと乾燥おからは、どちらも低カロリー・低糖質で栄養満点のヘルシーフードです。
それぞれに異なった特徴があるため、料理やライフスタイルに合わせて上手に活用してみてください。

比較項目 | 生おから | 乾燥おから(おからパウダー) |
---|---|---|
水分量 | 約75~80% | ほぼゼロ |
栄養価 | 乾燥おからより低い(同重量あたり) | 濃縮されていて高い |
食物繊維 | 適量 | 非常に多い(摂りすぎ注意) |
保存性 | 要冷蔵(2~3日) | 常温保存可能(長期保存向き) |
調理しやすさ | そのまま使える | 水に戻して使用 or パウダーのまま混ぜる |
向いている料理 | 煮物、炒め物、ハンバーグ、コロッケ | パン、クッキー、スープ、ドリンクに混ぜる |
✅ 料理にそのまま使いたい人(炒め物や煮物向き)
✅ 冷蔵庫にスペースがある人(賞味期限が短いため)
✅ 長期保存したい人(常温保存できる)
✅ 少量で栄養を摂りたい人(ダイエット向き)
✅ パンやスイーツ作りに活用したい人
おからの食べ過ぎには注意!

おからは栄養豊富な食品ですが、食べ過ぎると以下のような影響が出ることがあります。特に、乾燥おからは、栄養が濃縮されているため摂りすぎに注意が必要です。
- お腹が張りやすくなる(食物繊維が多いため、水分と一緒に摂取するのが重要)
- ミネラルの吸収を阻害する可能性(鉄分・カルシウムの吸収が妨げられることがある)
- イソフラボンの過剰摂取に注意(サプリなどと併用すると摂りすぎる可能性がある)
✅生おからの場合 :1日50g~100g程度が目安。
✅乾燥おからの場合:1日10~20g程度を目安に、水分と一緒に摂るのがおすすめ。
おからを活用したダイエット・節約レシピ
おからは手軽に購入でき、低コストで栄養価の高い料理が作れます。ここでは、ダイエットや節約に役立つ簡単レシピを紹介します。
日々の食事に取り入れてヘルシーな食生活を楽しんでみてください!
ヘルシーおからポテサラ風

📌使用するおから:生おから
【材料】(2人分)
・生おから: 100g
・ヨーグルト:大さじ2
・マヨネーズ:大さじ1
・塩・こしょう:適量
・きゅうり・ハム :適量
【作り方】
- おからを耐熱容器に入れ、ラップをかけレンジで1分加熱し、冷まします。
- きゅうりは薄切り、ハムは細切りにします。
- すべての材料を混ぜ、味を調え出来上がりです。
💡 ポイント
・生おからを使うとじゃがいもに近いしっとり食感になり、違和感なく食べられる。
・ヨーグルトを加えると酸味が加わり、ポテサラ風の味に近づく。
・乾燥おからを使う場合は、しっかり水で戻し、なめらかになるまで混ぜるのがポイント!
ジューシーおからハンバーグ

📌使用するおから:生おから
【材料】(2人分)
・生おから:100g
・鶏ひき肉:200g
・玉ねぎ:1/2個(みじん切り)
・卵:1個
・塩・こしょう:適量
【作り方】
- 玉ねぎを炒め、冷ましておきます。
- ボウルにすべての材料を入れ、よくこねます。
- 成形してフライパンで両面焼き、火が通るまで蒸し焼きにしたら完成です。
💡 ポイント
・生おからを使うと、ひき肉とのなじみが良く、しっとり仕上がる。
・乾燥おからを使う場合は、 牛乳や豆乳で戻し、水分をしっかり含ませるのがコツ。
・ ハンバーグが パサつくのを防ぐために、卵や玉ねぎをしっかり入れるのがポイント!
もっちりおからの磯部焼き

📌使用するおから:生おから
【材料】(約10個分)
・生おから:100g
・木綿豆腐:150g
・片栗粉:大さじ2
・醤油:大さじ1
・みりん:大さじ1
・すりごま:大さじ1
・青のり:小さじ1
・焼き海苔:適量
【作り方】
- 木綿豆腐はキッチンペーパーで包み、しっかり水切りをします。
- ボウルに生おから、豆腐、片栗粉、醤油、みりん、すりごま、青のりを入れ、よく混ぜ合わせます。
- ひと口大に丸め、焼き海苔を巻きます。
- フライパンに薄く油をひき、中火で両面をこんがり焼きます。
- 仕上げに醤油(分量外)を軽く塗って焼き、香ばしく仕上げ出来上がりです。
💡 ポイント
・豆腐を加えることでふんわり&もちもち食感!
・海苔の香ばしさがクセになる♪
サクッとおからスコーン

📌使用するおから:
生おから or 乾燥おから(戻して使用)
【材料】(約6個分)
・生おから:100g
(乾燥おから:20g+水80mlで戻す)
・薄力粉:150g
・ベーキングパウダー:小さじ2
・砂糖:30g
・牛乳:50ml
・溶かしバター:40g
【作り方】
- オーブンを180℃に予熱します。
- ボウルに薄力粉、ベーキングパウダー、砂糖を入れ、混ぜ合わせます。
- 生おから(または戻した乾燥おから)を加え、さらに混ぜます。
- 牛乳と溶かしバターを加え、ひとまとめにします。
- 生地を厚さ2cm程度に伸ばし、包丁で三角形や丸形にカットします。
- 180℃で20~25分焼いて完成です!
💡 ポイント
・生おからでも乾燥おからでも作れる!
・チョコチップやナッツを混ぜるとアレンジ自在♪
ザクザクおからグラノーラ

📌使用するおから:乾燥おから
【材料】(約10食分)
・乾燥おから:50g
・オートミール:100g
・ナッツ(アーモンドなど):50g
・ドライフルーツ(レーズンなど):50g
・はちみつ:大さじ3
・オリーブオイル:大さじ2
・シナモン(お好みで):小さじ1
【作り方】
- オーブンを170℃に予熱する。
- ボウルに乾燥おから、オートミール、ナッツ、シナモンを入れて混ぜます。
- はちみつとオリーブオイルを加えて、全体をよく混ぜ合わせます。
- クッキングシートを敷いた天板に広げ、170℃で20~25分焼きます。(途中で一度混ぜるとムラなく焼ける)
- 冷めたらドライフルーツを混ぜて完成です!
💡 ポイント
・乾燥おからを使うことでサクサク食感に!
・ヨーグルトや牛乳をかけて食べると◎
おからのしっとり濃厚ショコラ

📌使用するおから:生おから
【材料】(18cmパウンド型1本分)
・生おから:100g
・卵:2個
・ココアパウダー:30g
・ベーキングパウダー:小さじ1
・砂糖:50g
・牛乳:100ml
・溶かしバター:30g
・チョコレート:50g
【作り方】
- オーブンを180℃に予熱します。
- ボウルに卵と砂糖を入れ、クリーム状になるまでしっかり泡立てます。
- 生おから、ココアパウダー、ベーキングパウダーを入れゴムベラでさっくり混ぜます。
- ③に牛乳と溶かしバターを加え、しっかり混ぜ合わせます。
- ④に刻んだチョコレートを加え、混ぜ合わせ、型に流し込みます。
- 180℃で30~35分焼き、竹串を刺して生地がついてこなければOKです◎
冷ましてから型から取り出し、好みのサイズにカットして完成です!
💡 ポイント
・生おからを使うとしっとり仕上がる
・甘さ控えめにして、ビターな味わいも楽しめる!
まとめ
おからは、低カロリー・低糖質で栄養価が高く、ダイエットや節約にも役立つ万能食材です。適量を守りながら、バランスよく食事に取り入れれば、健康的で無理のない食生活が実現できます。
是非、おからを上手に活用し、健康的な食生活を楽しんでみてください!